商品を売るというときに、どのように宣伝をすればよいのか悩ましいところです。
ただ単にビラを撒いてればいいという物量作戦ではちょっと効率が悪いかなと感じます。
不特定多数の相手に刺さるような宣伝方法はないものでしょうか……。
バンドワゴン効果で「みんなと一緒」を演出する
バンドワゴン効果の詳細は後述しますが、簡単に言えば、「みんなと一緒なら怖くない」という心理効果のことです。
これを使って例えば「○○ランキング1位」とか、「芸能人の××も愛用」など、一定の権威を与える言葉を使って商品の宣伝を行うのはいかがでしょうか。
他にもSNSでのキャンペーン広告や口コミなどを使って、とにかく商品が売れている、みんなが持っている・やっていると思わせることで、商品が売りやすくなります。
バンドワゴン効果って何?
「バンドワゴン効果」とは、ある選択肢や行動が人気になるにつれて、人々がその流れに乗る傾向が強くなる現象のことを指します。
簡単に言えば、「みんながやっているから自分もやろう」という心理です。
これは、マーケティングや政治の世界でもよく見られるもので、例えばある商品が話題になると、その人気に影響されて購入する人が増えたり、選挙で支持率の高い候補者に投票しようとする心理が働いたりします。
人間は社会的な動物であり、「多数派に従うことが安全で正しい」と感じる傾向があります。
そのため、流行やトレンドが拡大しやすく、時には冷静な判断を妨げることもあります。
「勝ち馬効果(ウィナー・エフェクト)」と似ていますが、勝ち馬効果は成功している人や勢力、トレンドに乗ることで自身もその恩恵を受けたいという心理が働く現象です。
例えば、選挙で勝ちそうな候補者に投票したり、強豪チームを応援したりする行動がこれに該当します。
一方「バンドワゴン効果」はある選択肢や商品、意見が人気になると、それに追随する人が増える現象です。
多くの人が支持しているものに引っ張られる心理が働き、「みんながやっているから自分も」という行動につながります。
つまり、「バンドワゴン効果」は単に多くの人が選んでいるものに追随する心理なのに対し、「勝ち馬効果」は成功している選択肢に乗ることで、自分も勝者になりたいという心理が影響しているのが特徴です。
バンドワゴン効果を使ってみよう
バンドワゴン効果はマーケティングにおいて以下のように使用することができます。
①口コミやレビューの活用:商品やサービスの人気を示すために、ポジティブなレビューや高評価の口コミを前面に出し、消費者に「多くの人が選んでいる=良い商品だ」と思わせる。
②「売り切れ続出」戦略:数量限定や品薄を強調し、「多くの人が買っているから急いで購入しないと!」という心理を煽ることで購買意欲を高める。
③有名人やインフルエンサーの利用:著名な人物が商品を推奨すると、「あの人が使っているなら間違いない」と考え、消費者が購入に傾く。
④ランキングやベストセラー表示:「〇〇ランキング1位」や「ベストセラー」と表示することで、「多くの人が買っているから良い商品」と思わせ、購買行動を促進する。
⑤ソーシャルメディアでのトレンド形成:SNSで話題になるようなキャンペーンを展開し、多くの人が投稿・シェアすることで「流行に乗り遅れたくない」という心理を活用する。
まとめ
バンドワゴン効果は、ある選択肢や行動が人気になるにつれて、人々がその流れに乗る傾向が強くなる現象のことでした。
「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」と一緒です。赤信号だと車に轢かれますけどね。
この効果を使うには、いかにその商品やサービスが人気かを演出する必要があります。
使い方は上に書いた通りですが、この効果はランディングページに使うという側面よりも、むしろ広告効果としての方が使いやすそうです。
別の記事で「同調圧力」について書きましたが、人間は元をたどれば猿人類ですから群れで行動する故か、周りと違うことに敏感に反応しがちです。
「同調圧力」が周りと違うマイナス面で人を引き付ける方法ならば、「バンドワゴン効果」は周りと一緒がいいとするプラス面で人を引き付ける方法と言えるかもしれません。

全くの余談ですが、人前で話すことに緊張をする経験をしたことがある人は多いと思います。
進化心理学的にはそれは至極当然のことなのです。
というのも、大昔人間、いや人類は少数の共同体を作って狩りをしたりして暮らしていました。
その中で注目を浴びるということは、下手なことをすれば共同体から追い出されるかもしれないリスクが存在したわけです。
もし万が一共同体から追い出されるようなことになったら、人間は当時一人では生きていくことが極めて難しかったことから、それすなわち死を意味します。
つまり、大勢から注目を浴びるという行為は、自分が共同体から追い出されて死ぬかもしれない可能性をはらむ行為だったのです。
それゆえ、今でも人間は大勢を前にすると緊張しやすいのです。