企業のランディングページを作る際、消費者目線からすると申し込むのに結構ためらいがあるものです。
「即決して大丈夫かな」
「また今度にすればいいや」
しかしランディングページを作成している側にとっては、そのように思われては成約につながりません。
何か対策はないものでしょうか……。
アンカリング効果を使って期限を設定する
「お申込みはいつでも大丈夫です」という態度では、先に述べたようにせっかくの成約機会を逃してしまいます。
そこでアンカリング効果を使ってお客様が行動する期限を設けましょう。「いつまでに申し込んでください」と、申し込みの時期にアンカー(船のイカリ)を降ろすのです。
特に日本人は真面目で「期限は守るべき」といった教育を受けてきているので、無意識に期限を守ろうと努力しますので効果を期待できます。
アンカリング効果って何?
アンカリング効果(Anchoring Effect)とは、最初に提示された数値や情報が、その後の判断や意思決定に大きな影響を与える心理的現象のことです。
人は無意識のうちに、最初に見たり聞いたりした情報(「アンカー」)に引っ張られ、それを基準にして考えてしまう傾向があります。
例えば、買い物をするときに最初に「高価な商品」を見せられると、その後に見る「少し安めの商品」も割安に感じてしまうことがあります。
また、交渉の際に最初に高めの数字を提示すると、それが基準となり、結果としてより有利な条件で話が進むことがあるのもアンカリング効果の影響です。
この効果は、マーケティングや経済学、さらには日常生活の意思決定にも深く関係しており、うまく活用すると交渉や価格設定などに有利に働くこともあります。
アンカリング効果を使ってみよう
アンカリング効果はランディングページにこのように使用することができます。
「いますぐ~してください。」
「一日でも早く~しましょう!」
「24時間以内に~してください」
このように具体的な時間を設定することで、顧客に「期限以内に行動しなくては」と思わせることができます。それにより成約率をUPさせるのです。
またアンカリング効果は他にも以下のような使い方ができます。
価格設定(ショッピング) 例えば、高級ブランドのバッグが最初に30万円と表示されていた場合、その後に10万円のバッグを見ると「お買い得だ」と感じてしまうことがあります。最初の高額な価格がアンカーとなり、それ以下の価格が割安に見えるのです。
交渉術(ビジネスや給与交渉) 給与交渉の際、最初に「希望年収800万円です」と高めの数字を提示すると、相手はそれを基準に交渉を進めるため、結果としてより高いオファーを得やすくなります。逆に、最初に低めの額を提示してしまうと、そこから交渉が進み、希望額より低い提案になりやすくなります。
不動産価格(家やアパートの購入) ある物件を購入しようとしたとき、最初に「この地域では物件の相場は1億円です」と聞かされると、その後に9000万円の物件を見ると割安に感じます。しかし、最初に7000万円の物件を見てしまうと、9000万円の物件が割高に感じる可能性があります。
メニューの価格設定(レストラン) レストランでは、最も高価なメニューを最初に掲載することで、その他のメニューが「比較的安く」見えるように工夫されています。例えば、1万円のステーキがメニューの最上部にあると、5000円のパスタが「手頃な価格」に感じられるのです。
マーケティングと広告戦略 「通常価格10,000円→セール価格5,000円!」という広告を見ると、10,000円の価格がアンカーとなり、5,000円が非常にお得に感じます。実際には5,000円が元々の適正価格だったとしても、アンカリング効果によって価値が高く見えるのです。
商品に明確な期限が無い場合
キャンペーンを行っている商品やサービスならともかく、大体の商品は申し込みに期限を定めていません。言ってしまえば「申し込みはいつでもいい」のです。
しかしランディングページ作成者側としては一回のチャンスをものにしたいところ。
そこで期限のない商品に期限を設ける方法として、こんな言い回しをしてみましょう!
「夏に友達と海に行く前に、この贅肉のついたお腹まわりを何とかしたい」
「10年ぶりの同窓会までに、あの頃と見た目が変わってしまった自分を格好よくしたい」
「健康診断の結果が芳しくなく、次回の診断までに体重を減らさないといけない」
「彼氏に振られたので、次会うまでに痩せてきれいになって後悔させてやる」
このようにイベント事を想定してランディングページに組み込むことで、「イベントまでに」という期限を設定するのです。
まとめ
アンカリング効果とは、期限などに指標となるアンカーを降ろすことで、相手を行動させる手法です。
今回はランディングページを想定して期限を設定することに使用しましたが、他の使用例にも挙げた通り、給与交渉や値引き交渉などにも使うことができます。
このような心理学を用いてあなたの生活やビジネスを良い方向に進めましょう!