誰かに自分の記事を読んでもらおう、物を買ってもらおうとしたときに、商品のすごいところだけを羅列してもなかなか買ってくれる人は出てきません。
それは顧客のターゲティングができていないからです。
今回は顧客ターゲットを決めるときに使われる「ペルソナ」という概念について書いていきます。
〇ペルソナとは何か
心理学における「ペルソナ」とは「周りの人に見せる自分」のことを指しますが、マーケティングにおいての「ペルソナ」は、「自社の製品やサービスをもっとも必要としてくれる理想の人」のことを指します。
このペルソナはマーケティングにおけるターゲットのように「30代男性で会社員」みたいな広い範囲のことを言うのではなく、氏名や年齢、職業、ライフスタイルなどを、あたかもそのような個人がいるように細かく設定していくものです。
〇なぜペルソナが必要なのか
ペルソナがあると、商品を売り込むときにどのような顧客を想定すればよいかが明白になり、売る側にとって顧客目線を持つことに繋がります。
また、漠然としたターゲティングよりも詳細に売る相手を決めていることから、どのようにすれば本当に届けたい相手に届くのかを考えるヒントになります。
逆にペルソナを設定せずに売り込みを行うことは、万人に対して売り込みを行うことにも繋がりかねません。
それは一見すると顧客が多そうなので売れるような感じがしますが、ライフスタイルが多様化した現代において、万人にウケる商品というのはまずありません。
ある人には必要性を感じるものでも、またある人には振り向きもしない商品というのが普通です。
ペルソナを設定することによって万人にウケるような無謀な商品の売り込みを行うことなく、本当に必要としている人に売り込みをかけることができるようになるので結果として売上が上がります。そのためにペルソナが必要なのです。
〇ペルソナはどこで使えるのか
ペルソナはマーケティング用語なので、売り込みをするために使われるのが一般的ですが、商品設計にも使用できますし、ブログや記事、本の読者を想定する際にも使用することができます。
〇ペルソナはどのように設定すればよいか
身近な人で設定する
両親や友人、会社の同僚など、自分の身近にいる人を想定してペルソナを作成します。
例えば筆者の場合、これとは別に運営している資産運用ブログ「八亀総合研究所」では、資産運用の知識に乏しい理系の友人に知識を授ける目的でスタートしました。その場合のペルソナは以下のようになります。
氏名:見せられないよ!
年齢:33歳
性別:男性
職業:大手半導体メーカーの総合職会社員
居住地:○○県××市、△駅徒歩10分
家族構成:既婚、子供は1歳児が1人。両親とも健在
教育水準;早慶上理の理系大学院卒
収入:約700万円
趣味・興味:読書、食べ歩き、プラモデル作成
購買行動:品質や信頼性を重視
その他:最近保険の営業を受けている
このように、身近な人の場合は情報が多いため、詳細かつ多種にわたる設定を行うことができます。
芸能人やキャラクターで設定する
友達がいない身近に参照にできそうな人がいない場合、架空の人物でも構いません。
例えば私の場合はCLA〇NADの古〇渚が好きなのでそれで想定してみましょう。
氏名:古河渚
年齢:20歳
性別:女性
職業:ファミレスのパート職員
居住地:東京都瑞穂町(多分)
家族構成:既婚、妊娠中
教育水準:進学校高卒
収入レベル:世帯で年収300万円
趣味・興味:演劇
購買行動:節約、信頼性志向
その他:夫は妻と同じ学校の高卒で、現業職正社員
今回はたまたま多くの情報がありましたが、もしも無い場合は想像を使うか空欄でも構いません。
全くの想像上の人物を使う
妄想力に長けた人間の専売特許です。
とは冗談ですが、商品に合いそうな人が周りにいない、思い当たる人物がいない場合は想像上の人物を使っても構いません。
ただし想像上の人物を使う場合はペルソナ作成時に、本当にそのような人物が存在しうるのか、無理のない設定になっているかは気を付けてください。職業に「大統領」なんて書いても現実味がありませんからね。
〇まとめ
以上がペルソナに関する解説です。
私の場合はランディングページを書くときにペルソナを設定して書きますが、今回例として書いたほどには詳細に設定してはいません。
ただし「その他」の部分でターゲティングに近い内容のことを想定することはあります。
また私の場合、ランディングページを書く際には全くの想像上の人物を使います。理由は売る商品がすでに決まっているからです。
「ペルソナはどのように設定すればよいか」で書いた実在の人物やキャラクターで設定するパターンは、まず人物ありきでそのあとで商品を設定するというやり方には向いていると思います。
例えばスイーツ店のように多くの商品を扱っている場合、先に人物像を設定することで「この人物にはどのような商品をどのように売れば良いか」という考え方をすることができます。
このようにまず人物ありきで多様な商品から売り方を設定するというやり方を取ることは一つの戦略です。
一方ランディングページを書く時のように売り込む商品が決まっている場合は、ある程度商品側にペルソナを寄せていかなければ成立しません。
ゲーミングチェアを売ろうとしているのに、ゲームに全く関心のない実在の人物を設定するのは、無理とは言わないまでもだいぶ厳しいと思います。
ですので私の場合は商品を必要としているという条件で想像上の人物を使うことで、売り込みの方法を考えています。
ペルソナは設定するのは面倒なところがありますが、そこからのマーケティングなどの行動に明確な指標ができることが大きなメリットです。
それに先ほどのゲーミングチェアの場合、書類仕事で長時間座る人には向いているといったように、思わぬ需要が発見できるかもしれません。
ターゲティングでも構いませんがもし手間をかけられるようならばペルソナの使用も検討してみてください。